ラブカ

ラブカ

ラブカとは

ラブカは、カグラザメ目ラブカ科に属するサメです。

えらのまわりにフリルが付いているように見えることが特徴的なところから、英名ではfrilled Shark(フリルド・シャーク)と呼ばれています。和名の「ラブカ」ってのはどういう由来なんでしょうね?「フカ=サメ」としても、「ラ」っていったいなんなんでしょう(笑)

深海性のサメで個体数も非常に少ないために、いまだにその生態がはっきりと解明されていないラブカ。サメマニアにとっては、メガマウスザメ、ミツクリザメと並ぶ魅力的なサメです。

ラブカ

ラブカの身体的特徴

まるでウミヘビのような細長い体は、全長1.2~2.0m程度。長く伸びた1基の尾びれと背びれを持っています。

えらについても他のサメとは大きく違った特徴が見えます。ほとんどの種のサメのえらは5本ですが、ラブカの場合はえらは6本です。そのうち1本はアゴの近くまで及んでいます。またフリルのような薄い膜がくっついているため、えらがピンク色に見えて目を引きます。

ラブカは歯も非常に独特。まるで三又矛のような3本の突起が出た歯が、きれいな配列で並んでいます。この歯の形状は、イカなどの柔らかい生き物を捕らえる際に役立ちます。逆立った細かいトゲの羅列が相手の体に食い込んで簡単には外れなくなるためです。

ラブカの歯の特徴

以上のような特徴が、3万5千年前に生きていたクラドセラケという古代ザメに似ているため、ラブカは姿をほとんど変えずに生き残ってきた「生きた化石」だと言われています。

ラブカの生態

前述したとおり、2014年現在でもその生態はほとんど解明されていません。

まず生息域ですが、発見例が少ないわりには世界中のいろんな場所で発見されています。普段は深度120~1000m程度の深い海に住んでいて、摂餌の際に表層近くの浅い海まで上がってくると考えられています。

理由はわかりませんが、駿河湾に住むラブカは日常的に浅い深度(100~200m)を好むようです。そのため漁業網にかかることも多く、発見例も多くなるのだとか。

主な主食はイカなどの頭足類。ほかに硬骨魚や軟骨魚も食べることがわかっています。ラブカの顎はヘビのように大きく開くため、多少大きな獲物でも噛みちぎらずに飲み込んで食べてしまいます。体内から姿かたちがそのまま残った小型のサメが見つかった例も。

ただ、ラブカはゆっくりと緩慢に泳ぐ姿しか観察されていません。イカやサメのような高速で泳げる獲物をどうやって捕獲しているのかは謎です。瞬間的な遊泳速度が速いのか、もしくはラブカ独自の狩りの方法があるのか、詳しいところはまだわかっていません。

逆に天敵となるのは大型のサメのようです。襲撃されているところが観察されたわけではありませんが、水揚げされるラブカの体やひれには、サメと思われる襲撃跡が残っていることが多くあります。

ラブカの生態

ラブカの繁殖

生殖行動についても確かなことはわかっていませんが、ラブカには繁殖期などは特に決まっていないと考えられています。繁殖できるときがあれば繁殖する、人間と一緒ですね(笑)

ラブカは立派な魚の仲間ですが、卵を外部に産みつけるようなことはしません。卵胎生であるラブカは体内で卵を孵化させて稚魚を産み、それが成熟してから体外に放出します。稚魚が体外に出てくるときにはなんとその大きさは60cm。ラブカの稚魚は1年で15cm程度しか成長しないデータがあるため、そこから考えると、なんと3~4年もの長い間子供は親の体内で過ごすことになります。なんと長い妊娠期間でしょうか。

東海大学海洋科学博物館で観察されたラブカの卵殻内胎仔
↑東海大学海洋科学博物館で観察されたラブカの卵殻内胎仔

国内のラブカの標本展示

深海性のサメであるため、通常の水槽の中では飼育できません。そのため日本だけでなく世界を見渡しても生きているラブカを観察できる水族館は存在しません。(まれに捕獲されたラブカが一時的に展示されるときもあるが、数日で死んでしまう)

液浸による標本を展示している場所はいくつかあります。代表的なのは東海大学海洋科学博物館。ここでは30年ほど前に200体以上のラブカを研究しており、標本展示以外にも、ラブカに関する情報は日本国内でも随一だと言えます。

東海大学海洋科学博物館で展示されているラブカの標本と生態の解説図
↑東海大学海洋科学博物館で展示されているラブカの標本と生態の解説図

 
 
ほかには神奈川県の京急油壷マリンパーク。液漬標本が常時展示されています。この水族館はサメの展示に力を入れており、飼育されているサメの数が非常に多いので、サメ好きであればラブカ目的以外でも十二分に楽しめます。

京急油壷マリンパークで展示されているラブカの標本
↑京急油壷マリンパークで展示されているラブカの標本

 
 
神戸にある立須磨海浜水族園。ここでもラブカの液漬標本が展示されています。

神戸市立須磨海浜水族園3Fで展示されているラブカの標本
↑神戸市立須磨海浜水族園3Fで展示されているラブカの標本

 
もし生きている姿を自分の目で見たい場合は、日頃からニュースをチェックして、ラブカの捕獲情報にアンテナを立てておく以外に方法はありません。もし生きたまま捕獲された場合は近隣の水族館に展示される可能性があります。しかし現状ではラブカを常時飼育する方法は確立されていませんので数日で死んでしまいます。そうなってしまう前に足を運ぶしかないでしょう。

ラブカ水族館

捕獲されたばかりのラブカの映像:

ディスカバリーチャンネルより 深海を泳ぐラブカの映像:

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