オオメジロザメ

オオメジロザメ

オオメジロザメとは

オオメジロザメは、メジロザメ目メジロザメ科に属するサメです。英名はBull Shark(ブル・シャーク)。日本語に直訳すると牛鮫ということになり、実際日本でもウシザメと呼ばれることがあります。

ちなみにブル・シャークとは別にブルー・シャークなんてのがいて紛らわしいです。ブルー・シャークはヨシキリザメのことを指しますので。

オオメジロザメ

オオメジロザメの身体的特徴

名前やパッとみた体のシルエットからすると大きなイメージがありますが、実際の体長は大きい個体でも3メートル程度です。まぁ、それでもサメとしては大きいほう。

見た目では「この部分がこうならオオメジロザメ」っていうような確固たる判別用の特徴はありません。ただし以下のような部分をみていけば総合的に判別することは難しくないです。

・ずんぐりとした太めの体格
・体の太さに比べて小さめな鎌形の第1背ビレ
・ネコ目
・エラが妙に短い
・ほんのりとだけ尖った短い鼻先
・イタチザメに近い、ふっくらした口まわり
・背中は灰色で、グラデーション的に腹側に白くなっていく

オオメジロザメの特徴

環境にもよりますが、大体15歳前後で成熟すると言われています。それまでは年間15センチ程度だった成長力が5センチ程度になってしまうことから、映画のようなモンスター的な大きさになることはまずないようです。

繁殖に関しては卵胎生で、稚魚は雌の体内で10匹程度が孵化します。驚きなのは哺乳類でいうヘソの緒のような器官があって、それにより親から栄養をもらって成長する点。胎生に限りなく近い、魚としてはかなり進化した生態と言えるでしょう。

上あごの歯は正三角形に近く、下あごの歯は少し細めになっています。比較的ホオジロザメなんかに近い構造。

オオメジロザメの歯

オオメジロザメの生息域

生息域は温かい海の沿岸部で、紅海、モルディブ、地中海以外の温かい海ならどこにでもいます。日本では沖縄付近でよく目撃の話が上がったりします。

そして特筆すべきはやはり淡水への適応能力でしょう。オオメジロザメは河川にも平気で侵入、それもかなり上流のほうまで上ることができます。ミシシッピ川、ザンベジ川、アマゾン川を数千キロさかのぼったような場所にも出没し、ときには地元住民への事故の原因になることもあります。

淡水域へのオオメジロザメの侵入で有名なのはニカラグア湖。中南米にあるこの湖はサンファン川でカリブ海とつながっているんですが、オオメジロザメはこの川を100kmもさかのぼり、途中の早瀬すらもサケのごとく通過していくとのこと。それだけオオメジロザメにとって住みよい湖だったんでしょうか。現在はこの川に障害物があるせいで行き来ができないこと、乱獲が進んでしまったことによりニカラグア湖のオオメジロザメは絶滅の危機に瀕しています。

日本でも沖縄の安里川上流700メートル地点で1メートルの個体が8匹も釣り上げられた例があります。専門家によれば、さすがに安里川をこれ以上の大型の個体がさかのぼるのは限界があるとのことですが、泳ぐことができるギリギリの浅い場所でも侵入すること、先に記述した早瀬をさかのぼる能力のことを考えると人を襲えるサイズの個体が絶対に侵入してこないという保証は正直しづらいところですね。

淡水でも生息可能なオオメジロザメ

オオメジロザメの食性

オオメジロザメは雑食性で多種多様なのものを食べます。メインの食事は硬骨魚類ですが、ほかには甲殻類、イルカ、ウミガメなども捕食し、川では牛やカバのような大型の哺乳類を襲った例まであります。

もちろん人間にとっても非常に危険なサメ。ホオジロザメ、イタチザメに並ぶシャークアタック御三家の一角です。淡水適応力と雑食性の高さを考えると潜在的な危険度はもしかしたらナンバーワンかもしれません。

オオメジロザメのアゴ
↑捕食の瞬間、アゴが飛び出ている状態。自分がこういう顔で咬まれるところは想像したくない。

水族館で出会えるオオメジロザメ

日本の水族館では、京急油壺マリンパーク、美ら海水族館などで見ることができます。雑食性の大きなサメなのでほかの魚への捕食行動が激しく、やはり飼育する際は苦労が多いようです。

しかしそんな中で美ら海水族館は世界一のオオメジロザメ飼育日数を誇り、その記録はいまも続いています。1978年が飼育開始ですからとてつもない年数ですね。しかも出産にも成功しており、2008年に孫にあたるサメを出産したときは大きなニュースになりました。これも世界ではほかに例がない史上初の快挙です。

大型のサメはその生態がはっきり解明されていない種が多いですが、オオメジロザメは3世代の個体が観察できるこの美ら海水族館のおかげで生態の解明が一番早くなる種かもしれませんね。

サメ

オオメジロザメの特集動画: